温故知新 2001.10.10

54.妊娠と歯芽

 歯は生後6ヶ月から生え始め、上下おのおの10本ずつ、合計20本の乳歯が、2年後には生えそろいます。まれには生まれたばかりの新生児に乳中切歯(前歯)が生えていることもあります。
 歯はいつごろ作られるか?
 木の芽などと同じように、歯のもとになるものを歯芽(しげ)と名付けています。この歯芽は、妊娠6週間ごろから胎児の口にあたる部分で作られているのです。だから、母体が初めて妊娠を自覚したころから歯芽は作られ始めていることになります。
 将来、丈夫な子供を産むためには、妊娠と同時に胎児のための栄養を考えねばならないことは、歯の場合も同様です。
 歯は骨格と同じように、カルシウムが主成分ですから、栄養、ミネラルの中でも特にカルシウム分の多い食物、小魚などの摂取が必要なわけです。
 しかも、母体そのものの健康維持と胎児の健康維持と、2人分の摂取量が必要になります。
 ところが、一般的に妊娠2、3ヶ月ごろは、悪阻(つわり)の症状が現れて、偏食になりやすい傾向があり、特に妊娠中毒症が強く現れた場合、歯の質のモロイ子供が産まれることが多いようです。



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