温故知新 2001.10.10

53.妊婦のムシ歯

 "1本もムシ歯がなかったのに、妊娠すると急にムシ歯が多くなった"と言うことをよく聞きます。
 事実、妊娠すると、一度に多数の歯がムシ歯になることがありますが、これを"妊娠性多発性カリエス"と呼んでいます。
 一般に、妊娠2、3ヶ月ごろは、胎児が非常に不安定な時期ですが、この時期の歯科治療は避けた方がよいようです。
 時として、流産の原因になることがあります。また臨月の治療も出来るかぎり避けたいものです。妊娠期間中は、なるべく治療を受けないように心がけることが妊婦には大切です。やむを得ない場合は、胎児が比較的安定した時期(妊娠5、6ヶ月ごろ)を選んで処置を受けるべきです。
 乳歯は、永久歯と比較して、全般に青白い光沢をしていますが、よりもっと灰色がかり、黒ずんだ光沢のない乳歯を見かけることがあります。これは、母体が妊娠期間中に使用した薬物(特に抗生物質)によるものと考えられています。
 健全な子供を産むためには、母体を健康に保つことがまず大切です。出産後、母体の健康が回復した時を選んで、歯科医を訪れ、口腔(こう)検査を受けることも大切です。



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