温故知新 2001.06.14

36.子供のムシ歯はだれの責任か

 ある日のこと、高松市出身のスイス人妻が7年ぶりに6歳のハーフの男の子を連れて里帰りをしました。
 言葉は違っても子供同士は親しくなり、レスリングをしている最中に打撲して前歯が1本ブラブラになり、慌てて来院しました。
 早速、X線写真をとってみますと、6歳と言う年齢は、永久歯と乳歯の初めての交換期にあたり、大したこともなく簡単に抜歯手術で処置を終わりました。 その時、何よりもまず驚かされたことは、少年の口の中に1本もムシ歯がなく、しかも掃除がゆきとどいていることでした。そこで母親に「よく手入れが行き届いています。珍しいですネ、1本もムシ歯のないことは」と素直にホメました。すると「親が子供の管理をすることは当然のこと・・・・」と淡々とした答えが返って来ました。
 「・・・スイスでは、子供の躾(しつけ)が非常に厳しく、お菓子を与えるにしても、方法、量を制限するし、歯みがきは家庭でも幼稚園でも徹底させる。日本の国は、すべてが知的教育に偏りすぎているような気がしますが・・・」とちょっぴり痛い批判をもらしてくれたのです。



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