温故知新 2001.10.24

55.補綴(ほてつ)

 日常には、ほとんど見られないムズカシイ字です。まともに読めるのは漢字に造詣(けい)のある人か、歯科に関係がある人にかぎられるのでがないかと思われます。
 ホテツというのは、字からも想像出来るように、"おぎない、つづる"という意味です。
 歯科医療と、一般医療をくらべて、歯科の特殊性は、この"補綴"にあるともいえます。"補綴"のことを"歯科の技工"といえば、あるいはより理解しやすいかもしれません。
 ムシ歯になって、原形をなくした歯を、もとの形に修復したり、歯が抜けて咬(か)めなくなった部分に人工歯を補充したり、全く歯がなくなった口に総義歯を装着して、咬(こう)合を回復するなど、その仕事の範囲は非常に広く、技術的にも、内容、方法も、多種多様にあります。
 ムシ歯の予防か、早期発見、早期治療が徹底すれば、補綴はもっと少なくなるはずです。事実、ニュージーランドの現情は、予防処置が普及してきたために、歯科医師が余って、オーストラリアへ移住しているそうです。
 それにくらべて、"補綴"が歯科医療の大半を占めている日本の現情は、文化国家どころか、まだまだ後進国ともいえるでしょう。
 ところが、一般的に妊娠2、3ヶ月ごろは、悪阻(つわり)の症状が現れて、偏食になりやすい傾向があり、特に妊娠中毒症が強く現れた場合、歯の質のモロイ子供が産まれることが多いようです。



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