温故知新 2001.09.12

49.抜歯手術

 「嘘(うそ)をつくと閻魔(エンマ)大王に"クギ抜き"で舌を抜かれる」という話は、戦前派にとってはなつかしい子供時代の説話でした。
 説話のせいでもありますまいが、いまだに"歯科医"といえば"抜歯"を連想するらしく、助手に「注射」と声をかけただけでも、「先生!!歯を抜くんですか?!」と、大の男が不安そうな目つきで治療台から見上げます。吉田元首相が、グラグラになった歯の抜歯を拒否しつづけて、歯科医を困らせた話は、あまりにも有名です。
それほどに一般的にコワがられているのが、抜歯手術といえましょう。
 抜歯をするかどうかは、全身の状態(血圧、脈拍、熱、既往症、体調等々)をしらべ、内部的には歯の骨植状態、X線撮影による骨の異常の有無、歯の大きさ、根の長さ、形、方向、等々を総合的にしらべてから決定します。だから、まず、そう心配することはありません。
 高血圧症、糖尿病、心臓疾患、肝臓疾患、その他癲癇(てんかん)、妊娠期間中、病後などの場合は専門医と相談してから抜歯することが大切です。
 血液病(白血病、血友病、紫斑病等々)の場合、抜歯は避けなければなりません。



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