温故知新 2001.08.22

46.親知らず楔状欠損

  正面からかぞえて8番目の歯を“親知らず”と一般に呼んでいます。正しくは“智(ち)歯”と名づけています。
 智歯は、17、8歳ごろから生える人が多く、まれには義歯を装着する年齢(50〜60歳)になって生えてくる人もいます。また、一生涯生えてこない人もいます。子供が親の手元から巣立ってしまって、子供の智歯の萌出に気づかないという意味から“親知らず”と呼ばれるようになりました。
 この歯は、また人間の尾骨などと同じように退化の傾向にある臓器の一つです。だから一生涯、生えてこない人は進化した人間といえるでしょう。
   生えてくる年齢が発育の鈍化した時期か、あるいは成長が停止した時期であることや、最後方の軟組織に接近していることなどが原因して、異常萌出することが多く、いろいろな障害を起こすことが多いようです
 昔から“親知らず”を抜歯すると死ぬと怖がる迷信めいたものがありますが、歯科医師の的確な処置を受けるとまず心配はありません。しかし簡単にも考えられない厄介な歯なのです。



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