温故知新 2001.05.09

31.ムシ歯にかかりやすい年齢と時期

 生涯のうちで、ムシ歯にかかりやすい時期が数回あります。
 まず、乳歯が生えそろった三歳ごろ、永久歯が生えそろった十五−六際ごろ、妊婦から出産にかけて体調の不安定なころ、その他、病後や壮年期から老年期へかけての変調期など。
 それはちょうど、若木や衰弱した木々に、害虫がつきやすい自然現象とまったく同様です。これらの中でも、一番多いのが、なんといっても三歳児、ついで永久歯が生えそろう十五〜六歳ごろです。
 ことし(当時)発表になった厚生省の健康白書によると、三歳児のムシ歯罹患率は90%以上と発表されましたが、特にこの年齢に多い理由は、歯の組織が軟弱であること、間食が多いこと、歯の清掃が徹底しないこと。もともと健康管理の意識が無い上に、悪条件が重なって、高い罹患率になったものと思われます。
 人が生きる限り、この過程を経なければならないのですが、ムシ歯にかかりやすいこれらの時期を、自他ともにちょっと心がけることによって、現状よりムシ歯の罹患率は少なくなりそうです。ことに三歳児のムシ歯に限っては、彼らを管理する側、親や社会にその責任がありはしないでしょうか。  



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