温故知新 2001.01.01

13.保険制度はだれのもの

 現行の保険制度でも一応、歯を修復することはできるが、よりよい修復は出来ないということが定説になっています。
 その根本理由は、現行保険制度が経済優先の仕組みになっていて、生命の尊重を主に考えていないためではないかと思います。
 このことは、現行保険制度下の歯科医療があらゆる点で制限を受けていることからも容易に想像されます。
 例をあげると、保険制度で認められているレジン(合成樹脂)のジャケット冠と、認められていないポーセレン(陶材)のジャケット冠を比較すると明らかです。
 耐久力においても、衛生的な観点からも、審美性からも、ポーセレンがすぐれています。現代の歯科医師の常識に従うと、ポーセレンで修復することが、修復方法としては当然だと思います。ところが現行の制度では、ポーセレンを経済的理由から認めず、むしろゼイタクなものとさえ考えているようです。
 一方では人命の尊重を唱え、他方では経済的に治療内容まで制限を加えるなど、一例にすぎませんが、現行制度の矛盾です。
 これらの矛盾を発展的に解決することが今後の保険制度のあり方でしょう。



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