温故知新 2000.12.18

11.健康保険の話

 記録によれば、健康保険制度は、大正11年4月22日に法律70号によって公布され、大正15年7月1日から施行、昭和2年1月1日から給付されるようになりました。
 だが、当時この制度を、施療行為≠ゥお上の厄介者≠フような考え方が、診療側にも受診側にもあったために、ほとんど活用されず、有名無実の制度として敗戦まで続きました。
 しかもその目的は、戦時体制のもとで国を富まし兵力を増強する≠アとを目的にしたもので、保険制度がもつ相互扶助≠フ精神とは全く違ったものでした。
 昭和23年、労働法の改正により、社会保険、共済組合、健康保険組合等にそれぞれ分かれた現行の保険制度が生まれ、受診内容には、いろいろと制限を受けましたが、とにかく、やっと一般化されるようになりました。
 その後、10年余りおくれて、昭和33年に国民健康保険法が公布され、昭和36年4月1日から国民皆保険の制度が施行されました。それにしても健保制度の、歯科の補綴(ほてつ)に関して今なお、受診制限があることは、憲法第25条(生存権)第一項の・・・・健康で文化的な・・・・℃旨とは裏腹のように思います。



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