1998.5.16,17
九州デンタルショー98レポート


1998年5月16日(土)、17日(日)の両日、福岡市の国際センターにおいて「98 九州デンタルショー」が開催されました。
私たちアワズデンタルも最新の情報を収集に参加しましたので、このページでご報告いたします。
詳しい内容につきましては各メーカーまたは弊社までお問い合わせください。写真はすべてFuji DS-20にて撮影しました。
例年よりも雨の多い今年の春ですが、はっきりとしない天気の中で、福岡国際センターでの3年目となる九州デンタルショーが開催されました。ただ、昨年暮から続く医療業界不況のせいでしょうか、以前ほどの活気が無いような感じも受けました。各ブースは経費を抑え目の中でできるだけポイントを絞った展示を心掛けていたようです。しかし、そのような雰囲気をものともしない歯科業界のいつもの「連中」が集まると、1年ぶりの再会に各業者が笑顔で握手を交わし、相変わらず楽しげな会話があちこちで始まりました。
モリタは業界に先駆けて院内LANシステムを発表してきました。NTサーバーに今回新発売のCCDパノラマやデンタル(Digora,Dixel)のデジタル映像を管理させ、各ユニットの液晶ディスプレイに表示、赤外線マウスにて操作しようというものです。実際に稼動させるにはまだまだ細部の詰めが残されている気がしますが、面白い方向性だと思いました。そのサーバー機。やはり、富士通製をつかうわけです、モリタとしては。今回発表されたデジタルCCDによるパノラマ映像は思ったよりクオリティが高く、これでようやくまったく自現器を利用しない医院を考えることが出来るようになりました。実際にはフィルムの便利さを超えるようになるまでには、他のインフラ要素が進まないと出来ないようですが。
こちらはジーシーブース。昨年来よりリサイクルを考えた展示パネルですっきりとした印象でした。この写真はユニット関係ですが、この裏手が材料関係がずらりと並んでいました。そういえば「シーメンス」の文字が「シロナ」に替わってましたね。 シロクスブースではKAVOの新しいユニットを展示。このユニットからKAVOタービンは新しくなっています。それにしてもこの色彩がヨーロッパを感じさせてくれます。
奥のパネルの飛んでる人物の絵も、またヨーロッパ。
タカラベルモントは昨年展示されていた新ユニット「ラポール」を大々的に展示。その名の通り、患者さんとの会話を中心に据えて設計されたユニットで、今後のあるべき歯科医療のひとつの方向性を示した器械ではないでしょうか?もはや、医療空間を売っている、という感じですね。こちらは元気の良いヨシダブース。デジタルデンタルレントゲン「コンピュレイ」を前面に押し出しての展示となりました。どうも今年の会場のキーワードは「レントゲンフィルムのデジタル化」のようです。展示側スタッフは全員ご覧の通りの赤シャツで統一され、さながらF1フェラーリチームのようでした。
今回見つけた中でのアワズデンタルマイブーム商品はこれ。モリムラが輸入販売する「フェイズチェンジオイル」メンテナンスキット!従来のスプレータイプオイルでのタービンあるいは5倍速コントラへの注油清掃に比べて画期的にギヤやベアリングの寿命を延ばすことの出来るメインテナンスシステムです。オイルと清掃材との2つの組み合わせを週に1回程度行うことで、あの高いタービンカートリッジの寿命を伸ばせるとのこと。9,900円のスタータキットが会場でバンバン売れてました。写真奥の器械はオイルの性能を実験デモするものです。 ニックスでは、現在売れているハイラインSEの後継機種となる予定の「マックスライン」が参考展示。今の可愛らしい表情から、ロボットのような精悍な(?)表情になるようです。
年内には登場してくることでしょう。
レントゲンが次々デジタル化される中で、フィルムと現像器のメーカーがどのような対応をしていくものか興味深いところです。
モリタブースではCAD/CAMシステムのシロナ「セレック2」にいよいよクラウンキットが追加発売。これで即日でセラミッククラウンが完成です。10年前から予想されていたことですが、いよいよ現実化されたわけです。トクヤマブースでは貴金属接着プライマーの「メタルタイト」が好評。口腔内でも使用可能ということで、注目を集めていました。その接着力も相当高いようです。
サイブロンデンタルのブースではkerrのオプチボンドプラス(CR1液性ボンディング)や写真のパルプキャナルシーラーEWT、デメトロン光重合器などを展示。 この人が誰かすぐわかった方は、通です。
JRVTゴールドレストレーションシステムへの熱の入った説明に引き込まれる先生方も多かったようです。パラジウムがプラチナ並みの価格になった今日、あらためてゴールドレストレーションの良さを再認識してもらいたいという彼の熱意に、当日だけで相当の受注を頂きました。
先月入社の弊社新入社員たちも、あちこちのブースを精力的に駆けずり回り、「何でも良いから教えて下さい、何にもわかりませんのでよろしく!」とあちこちでご迷惑をお掛けしていたようです。ジーシーブースでは担当の営業の方より懇切丁寧にシリコーン印象について教えていただきました。なによりもこのような熱意が嬉しかったです。さて、最終日の集計結果です。やはり例年に比べて来場者数も少なかったようです。しかし、会場のあちこちで聞こえてきた声に耳を傾けると、今後の歯科業界の発展の芽が葺いてきているようにも思えます。ぜひ、来年はまた昨年来の熱いデンタルショーを復活させたいものです!

以上、今年のレポートでした。
良ければご感想などをメールいただければ幸いです。
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