マスターが、もう最後だからいいだろう、と「そはら」という店名の由来について語りだした瞬間。ぼくは思わずiPhoneで動画を撮ってしまった。そはらとは「曽原」であり、戦後全国各地につくられた引揚者たちの開拓地であったという。隣の早稲村に生まれ育ったマスターはそこで懸命に働く大人たちの姿を覚えており、この地に店を出した時にそれを店名にしたのだという。そして最初に来た客も偶然、三重県の曽原出身だったという。