またまた開運グッズ「秘紅石」のチラシのご紹介。
引き続きニューバージョンからです。
(その@、A、Bはこちらから→@ A B

奇跡連発

下が拡大図。秘紅石は現地名を
「バビロニア・ストーン」と称するとのこと。

アラブ文化圏でなぜに英語名で称せられているのか
興味は尽きないところですが、ここは先を急ぐことにいたしましょう。

なんでも、
「古代バビロニアの王・ネブガドネザル2世がこの宝石を所有し」
「絶大な霊力でバビロニアに繁栄をもたらした」
のがその由来とか。


↓拡大図
こ〜んぴゅうたぁに 守らぁ〜れた〜

ネブガドネザル2世といいますとメソポタミア文明末期に栄えた
「新バビロニア」最盛期の王として
世界史に名を刻んでいる偉人であります。

で、その伝説のパワーストーンを発掘すべく調査隊が
バビロン遺跡に派遣されたのらしいのですが、
その苦闘が紹介されております。

コーラー

「そして今、ひとりの男の飽くなき執念により、
ついによみがえった奇跡のパワー!」なのであります。

あらすじは、行方不明になった秘紅石の調査が
なかなか進まず発掘隊が解散。

んが、その後も一人のドイツ人がバビロンに残り、
ついに「秘紅石の原石の発掘に成功したのです!」
なのだそうであります。

え〜と、前段と後段で話がすっ飛んでるような
気がするのは私だけでしょうか?

調査隊が向かった先がバビロンであるとのことから
私てっきり古代の王が愛用していた秘紅石を考古学的に発掘しに
いかれたのだと思っておりました・・・。

んが、いつの間にか地質学的に
原石の発掘を目指されるようになっていたんですね。

すごいなぁ。かつて秘紅石を
愛用していた王がいたからと言って遺跡の真下に
その鉱脈が眠ってるなんてことは普通、考えもしないものであります。

例えば、黄金の茶室があったからと言って
金鉱脈を求めて大阪城の地下を掘り進む人というのは
あまりいないものであります。

王の元には国中はおろかその周辺から富が
集まってくるのでありますから、秘紅石の産地がどこなのか
考慮すべき範囲はあまりに広いと思うのですが・・・。

ただ一人現地に残ったコーラー氏が
狂人扱いされたと言うのも大きくうなずける話なのであります。

で、原石を奇跡的に掘り当てたコーラー氏は
掘り当てた秘紅石を知人に分け与えたり
このチラシの広告主さんと
「独占販売契約」を結んだりしてるわけですが・・・。

秘紅石の原石ってバビロン遺跡から
出てきてるんですよね、確か。

そんな物を私的に流用することを盗掘と呼ぶのでは・・・。
コーラーさん、大丈夫なのでしょうか。

さらに、上の画像の地図を見ていただければわかる通り
バビロンとは現在で言うイラク領内なのであります。
(バグダットの南方、約90km)

いや〜、コーラー氏、いい度胸してらっしゃいます。
世界で最も恐れられてる独裁者の目と鼻の先で
宝石の盗掘をしてらっしゃるとは。

(*注 このチラシは2002年、第二次湾岸戦争以前のものです)

と、いうことはこの秘紅石はイラクからの輸入品と
いうことになるわけですが、同国への経済制裁の厳しき折、
いったいいかなるルートで輸入されているのか・・・。

以上のことを考えますとコーラー氏なる人物
かなりのコネクションを持っていると考えて
間違いないと思われます。

で、説明によりますとコーラー氏の発掘は
数十年に及んだとのこと。

と、いうことは1991年の湾岸戦争のさなかにも
バクダッドの南90キロ地点でコーラー氏は
単身発掘作業を続けてらっしゃったのであります。
すごいなぁ。

でも首都の近くに奇跡を起こす秘紅石の原石が
ゴロゴロしてたっていうのになんでイラクって
戦争に負けちゃったんでしょうか??


(おまけ)

↓現地での無理がたたり病床に伏せった妻。
枕もとにコーラー氏が掘り当てた秘紅石の原石を
山積みしたところみるみる快方に向かったんだそうであります。

妻よ〜


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