温故知新 2001.03.07

22.歯科医療の在り方

 政治・経済・社会・産業・教育・その他すべてのものが、アメリカへ右へ倣え≠してきましたが、そのうちでも特に、歯科医療は明治から百年間にわたって、強くアメリカの影響を受けてきました。
 そのアメリカの歯科医療が現在、転換期に入ったと伝えられています。アメリカの歯科技術の開発は、つねに世界一を誇りつづけてきましたが、それが果たしてアメリカ国民のムシ歯を減少したか≠ニいう問いに対して否≠フ答えでした。歯科技術の研究や開発が優先し、そのために経済価値にウェートがかかり、社会の要求から歯科医療が遠ざかる結果になりました。
 高い料金を支払うことのできる人たちだけが高度の治療を受けられることは、一見、合理的に見えて、実は一般社会の要求からは遠ざかる結果になっていました。医療である限り歯科医療も庶民のものでなければなりません。そこですべての人のために歯科医療の保険制度化が思考され始めました。
 歯科医療の庶民化とは、歯科医療の質の低下を意味するのではなく、よりよい医療をすべての人が受けられることです。



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